『電信柱と記念撮影しながら歩く会』を主催した結果
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■ハロウィンにワレモノのコスプレしたら死体と間違えられた
先日,『電信柱と記念撮影しながら歩く会』を主催しました。
ひたすら電信柱と記念撮影をしながら歩くという企画です。
歩いた距離は京都 四条から北大路までの5km。
普通に歩けば1時間で歩ける距離を2時間半かけて歩きました。
2時間半で撮った写真は102枚。参加者全員が精神的にも体力的にも消耗した最高なイベントでした。
集まったのは僕とアラサー女子と年下男子の3人でした。
イントロダクション
どうしてこうなった
リアルでの参加者は3人だったはず。
参加者は僕とアラサー女子と年下男子だったはず。
なぜおばちゃんが二人いる?
どうしてこうなった
全員爽やかな顔で写ってるけど
どうしてこうなった
そんな事を考えているのは読者だけではありません。
この写真を撮ってる時、僕も
どうしてこうなった
と思っています。
2人のおばちゃん...
それは電信柱が導いた数奇な出会いでした....
参加者
ということでまず参加者紹介
ユキガオさん。アラサー女子。
前回もこのイベントに来て被害に遭っています。
今回は途中参加。
ルーキー(@wojourceav)さん。
今回のイベントを企画するきっかけになった人です。
僕がこのようなコスプレをしているのを見て
数週間前にフェイスブックで「会いたい」と言ってくれました。
以上2名。
すくない?いやむしろ多い方だとおもいます。
正確にはtwitterから2人参加してくれました。ほんとにありがとうございます。
夜になってしまったけど参加!
— 高瀬 雄一郎@雪マシーン (@hentekoasobi) 2016年10月15日
「こいつと撮りたい」と思えるものを探してけっこうさまよいました。#電信柱ウォーク pic.twitter.com/zmdQyONqNc
終わっちゃった!とりあえず近所の電柱を。#電信柱ウォーク pic.twitter.com/TyiWx8ZbiH
— みどりの小野(黒い絵バージョン) (@yutoma233) 2016年10月15日
ということで集まった3人の若者の壮大な冒険の物語をお話ししましょう。
出会って4分で即撮影
ルーキーさんと待ち合わせたのは四条駅。
ユキガオさんは途中参加なので早速出発。
ちなみに道路の左側にある電信柱は全部撮るというルールです。
左側に限定したのは道路を何度も横切るのは危ないからです。
「いやーほんとにありがとうございます」「お会いできてうれしいです」
という他人行儀な会話をしながら歩いて行って最初に撮った写真がこれです。
出会って4分とは思えない.....
そう、これは『電信柱と記念撮影しながら歩く会』
記念撮影感をちゃんと出さないといけない。
それがたとえ初対面で打ち解けていなくても疲れていても、
あたかも電信柱が観光名所かのように撮らないといけない。
あれ?意外と楽しいぞ?
最初の方は結構本気で楽しかったです。
楽しかったから自然とルーキーさんとも打ち解けることが出来ました。
「おっとこの赤いテープは結構レアじゃないですか?」
「ほんとだ!!!!」
「電信柱と地面の境目って意外とじっくり見たことないよね」
「確かにそうですね!!!」
「あえて離れて撮ってみましょうか!!!!」
「いいっすね!」
「うわあ素材感が良いですね」
「ほう~いいね~」
「緑が上着の赤に映えそう!!!」
「いいっすね」
「管が2本ついてるのめずらしい気がする!!」
「よし撮りましょう!」
「管の素材感が変わったーーーー!」
「おおーすごい!!!
「ルーキーくん!この素材感よくない?」
「そ、そうですね...」
ルーキー君が完全に飽きてる顔をしていました。
で、僕も実はとっくに飽きてて、主催者としてがんばって盛り上げようとしましたが
20mおきに訪れる電信柱を前にして心が折れそうでした。
というか折れました
二人とも折れた顔をしている。
でもどちらも絶対にそれを口に出さないようにしていました。
耳つき電信柱との出会い
もはや二人とも無言で電信柱を撮っていました。
なぜ私は早起きして電信柱を取り歩いているんだろう....
そんなことを考えていました。
穴を掘らせてそれをまた埋めさせるという無意味なことをさせるのが
もっとも残虐な刑罰だとドストエフスキーが語っていたのを思い出しました。
しかしそこへ、そんなつらさを吹き飛ばす出会いが。
「前田さん!!!見てください!!!耳がついてます!!」
「え?」
「耳です!!!耳がついてます!!電信柱に耳がついてます!!!」
「え!なになんで?なんで耳がついてんの?いや作り物なのは分かるけど目的は?
しかも人が届かない高さにあるのはなんで?誰がつけたの?」
最初はめちゃくちゃ怖かったけど次第に興味がわいてきました。
本当はこの謎を解明したかったけど、まだ見ぬ電信柱との出会いがこの先に待っています。
僕達は先を急ぐことにしました。
誰かこの謎を解明してほしいです。
ということで耳つき電信柱への京都駅からのアクセス
地下鉄烏丸線 国際会行き乗車→烏丸御池 2番出口から徒歩三分
電信柱の井岡弘樹が導いた出会い
こんなステッカーの貼られた電信柱を見つけました。
井岡弘樹と書いてあります。ボクサーです。その時は「へぇ」としか思いませんでしたが
しばらく進んでまた見つけました。
これにはびっくりして「この一帯は井岡弘樹に何かしらのゆかりがあるのでは?」と思い始めます。
そしてそれが確信に変わりました。
通りの住宅の窓にも貼ってあったのです。
ちょうどご友人と立ち話をされていた住民の方に話を伺いました。
「あの、この井岡さんとはどの様なご関係で?」
聞いたところ
この井岡弘樹との関係はこうでした。
奥さんの娘さんの夫
の友達の主治医が診てる一人
その人が井岡弘樹。
ちなみに一帯の電信柱にステッカーが貼られている理由は分からないらしい。
ちょっとだけ面白いことが知れたので「ありがとうございましたー」と言って立ち去ろうとしたところ
ルーキー君がこんなことを言い出しました。
「今、電信柱と記念撮影しながら歩いてるんですけど良かったら一緒にどうですか?」
え?
うん...もういろいろと説明が足りない気がする...
でも奥様方は
「へ~私たちにとっては電信柱なんて
どこでもあるようなもんだけどね~」
って言って普通に承諾。
で、撮ったのが冒頭のこれです。
こんな風にして見ず知らずのおばちゃん二人と写真を撮ることになろうとは誰が想像しただろうか。
ユキガオさんと合流
と、そんな素敵な出会いをしたところでユキガオさんと合流。
開始から一時間半後だった。
ドーナツをくれた。
ドーナツを食べながら電信柱とどんどん記念撮影していく。
ああ...疲れた体にドーナツの甘さが染み渡る.....
ユキガオさん優しいなあ.......
思えば遠く 来たものだ。
ネス前田…… きみが
この長く曲がりくねった
冒険の旅路を
歩むようになったのは
あの最高の参加者……
ルーキーの通知音が
きっかけだった。
しかし
きみは 歩きつづけ
考えつづけ
写真を撮りつづけてきた。
勇気を失わず
なんども傷つきながら
確実に強くなってきた。
それに もう きみは
ひとりじゃない。
かわいくて やさしい
しっかりもののユキガオがいる。
運命に引きよせられるように
遠い国(大阪)から
かけつけてくれた
元気だが おバカな
ルーキーも いる。
どうやら 前田
きみは 何か
とてもおおきな運命をせおった
少年のようだ。これから先の旅も
いままで以上に
長く苦しいものに
なるだろう。
でも
きみなら大丈夫だ。正しいものと
正しくないものとが いてそれが 戦ったとして……
正しいものが 負けると
きみは思うかね。
けっして 失っては
ならないもの……それは 勇気だ。
勇気は この企画に終わりがあることを
信じることから うまれる。苦しいことも つらいことも
まだまだ たくさん
あるだろうが
そんなことを楽しむくらいの
ユーモアも もっているのが
きみたちだ。
ドーナツを食べおえたら
また 冒険は始まる。……長い道路をぬけて
大都会 (北大路)へと
きみたちは向かう。
前田
ユキガオ
ルーキーきみたちに いつも
幸運の女神が
ほほえみかけてくれるように……。
さあ!次の電信柱にいこう!
ユキガオ「飽きた。」
前田「え?」
リア充っぽい写真
全員飽きているけれども、やってくうちに
電信柱と記念撮影しているうちにリア充っぽい写真の撮り方が分かってきました。
さいごに、その電信柱と楽しそうに記念撮影している写真をご覧いただきたい。
楽しそうにも見えるけど基本的に全部作り笑いです。
全部の写真使ってコラージュも作りました。
被写体が電信柱でも人間が写ってて青空の面積が多いとリア充っぽい感じになることが分かる貴重な資料。
でも最後の一枚は本当の笑顔でした。
やっと終わったという笑顔でした。
これがこの日一番の笑顔だったことは言うまでもありません。
【今日の俳句】
スシ食いねえの「食いねえ」とはどういう意味だろうか